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福井おさんぽ

2000年3月11日福井おさんぽ

がんこラーメンの写真

がんこラーメン

最近すっかり有名になって雑誌にも紹介のあるがんこラーメンですけれども、10年以上前に学習院下でやっていたころは会員制でした。
初代がんこのおやじがいなくなり、同じ場所でしばらく後継者が続けていた時があります。
二代目はほんのちょっとでやめてしまい、その後を三代目が継ぎました。これが今のがんこの系図でいう二代目で、福井店の店長ということになっています。
なお、その場所はその後うどん屋かなにかになり、昨年、またがんこの一店として復活しています。この高田橋のがんこは馬場の家元に次ぐか、日によってはそれ以上に安定して旨いように思います。

それはさておき、がんこ各店を食べ歩いてるすばちゃん(^-^)とがんこによく行くのですけれども、そのすばちゃん(^-^)もまだ行ったことのない店があります。福井店です。
そりゃあ、なんといっても遠すぎるし、土曜しかやっていないし、しかも土曜に行ってもやっているとは限らないというんだから、東京に住んでいるとかなり厳しい条件だと思います。
ま、ぼくは大阪と京都の間に住んでいるから、福井だってちょっと行こうと思えば行けてします。


サンダーバード

そういうわけで、今日はがんこさがしに福井おさんぽと決め込みました。
まあ、京都からサンダーバードで1時間半だし。新幹線で東京出ることを思えばずっと近いものです。
サンダーバードの自由席特急券と乗車券を京都駅のホームで買って、禁煙席の7号車入り口の列に並びます。えらく混んでいてとても座れませんでした。デッキ間際の位置を確保し、駅弁を立ったまま広げます。
お茶まで飲み終わると、特急サンダーバードは延々と広がる琵琶湖を右に見ながら走って行きます。
琵琶湖をはなれてしばらくすると、すでに辺りは雪景色です。空は明るく、今日は降らないことを期待します。傘ないし。

雪って綺麗。

黒い木立と積雪のコントラストが目をさします。
木々の枝にのこった雪が風にゆられて、キラリキラリと輝いています。

鞄には愛用の一眼レフカメラMZ-5につけっぱなしの43mm。楽しみです。


がんこラーメン福井店の場所は?

とりあえず福井、ということで、開いているかどうかは謎です。まあ、またいつでも来ればいいし。帰りに京都寄って行っても面白いし。

もともと、ネット上ですばちゃん(^-^)と叶 屋さんがおしゃべりしていてがんこの福井店の話がでたのがきっかけで、それを読んでて、ふと行ってしまおうかとイキナリ思ってしまったわけです。

家元のところだったか高円寺だったか、がんこ各店の案内図を用意していたことがあって、そのときすばちゃん(^-^)は幻の福井の案内図をもらっていました。ぼくももらっとけばよかったかな。

昨夜、超不安定なTP600にNavi'nYouを入れようとしたら、MSのDLL入れてる途中で謎のエラー起こしてインストールできない。Cドライブ消しまくって、Win98アップグレードを走らせたまま眠ってしまっていました。目覚めて朝風呂を浴びながら続きのインストールをしました。Win98にしたらNavi'nYouもすんなり入りました。なんなんだ。全国版superのCD-ROMを入れて、福井市を検索します。福井市順化2-22っていうと・・・ここか。福井駅から歩けるな。

三代目っていうか、家系図だと二代目ですね。高田橋でやっていたころは、先代に比べてスープが重くなった気がして足が遠のいたのですが、いったいどう変わっているのやら。


福井の街、がんこラーメンさがして

福井駅を降りてとりあえず目に付いた古本屋に入ってダーコーヴァ年代記がないかどうかチェックします。そのうち全国の古本屋を制覇しなくては。

大通りをチンチン電車が走っています。おお。古くからの町なのね。駅前の案内板を見たら、あの永平寺が近いじゃあありませんか!尊敬する道元の。
「尊敬する」って言葉をこれほど自然に使える相手も他にないなあ。

しばらく歩くと裁判所が見え、ここで左折してチンチン電車の線路から離れます。歩道には雪が積もって早足は困難です。逸る気持ちを押さえて歩いて行くと、すぐに順化2-22の表示が。

・・・どこなんだ、やっぱり休みかな。

どこの家にも骨は下がっていません。2-22の番地表示を外れてしまったので、路地に入って探索を続行します。
む!

店、なのかどうか自信がないけれど・・・クレープ BONとかかれた店を発見!

入っていいんだろうか。営業、しているのかな。
ガラス戸からのぞき込むと、「がんこ」の垂れ幕みたいのが見えました。

ここだ!

カラリとガラス戸を横に引いて開けます。

入り口でおばちゃんに「ラーメンありますか?」と聞くと、
「はい、こってりとあっさりとどっちですか?」
「こってり」

・・・ちゃんと営業している店らしい。ホッ

店内に入ると、ソファが二つ、間に小テーブル二つ並べています。
高校生とおぼしき男の子が一人ラーメンをすすっています。入っていいのかな、個人の家みたいな感じで、そこの息子みたいにも見えるけど。

そこを通り抜けていくと、室内に屋台があります。がんこののれんのかかった屋台、めっちゃ怪しい。
屋台は今は使っていないらしく、店主の姿は見えません。

入り口のおばちゃんの立っていた場所の奥の方に厨房がある模様。

奥の左手には三畳ほどの和室もあります。
どやどやと高校生風の5人連れが入って来て、和室を占拠します。漫画本が棚にならぶ店内といい、なんか近所の学生の憩いの場のような雰囲気です。あ、クレープ屋だから当然、なのかな。

屋台と和室の間にあるテーブルに陣取ります。

突き当たりに家系図があり、ああ、まちがいないと得心しました。

おばちゃんがどんぶりを運んで来ました。


トマト

「いただきます!」

どんぶりをのぞきこんで、一番上は海苔、その下になにやら半切の味玉子を伏せたような物体があります。いや、玉子にしては巨大な・・・海苔を取って見てみると、びっくり、トマトなのです!

ト、トマト?

そりゃあ、新宿西口公園裏の店のトマト湯麺をはじめとして、トマトを具としたラーメンというのは少ないながらも食べて来たけれども。

皮を丁寧に剥いたトマトの切り身。うーん。謎だ。

麺をすすります。がんこだ!

スープはややにんにく臭が強めで、全体に柔らかめのがんこ系スープです。チャーシューは巨大で、麺を覆っています。既にチャーシューの脂身はスープの中にとろけてしまい、もろもろと横たわっています。

がんこの細くて縮れた麺、スープに破れないしっかりしたがんこの海苔、シンプルな白いどんぶりは温めてあります。

ああ、関西でもがんこは食べられるのだ!

(・・・ところで福井って関西っすか?)

トマトに箸を伸ばします。うん、いいバランスかもしれない。10年以上前の高田橋の「重い」スープの印象はスッと溶けてなくなりました。

最後の一滴まで、がんこのスープでした。アブラの香り付けもまちがいなくがんこ、でも今風のがんこというよりは、10年前のがんこに近いものです。チャーシューの味付けが濃い目なのも、家元の一作目に近いところです。
がんこ通(ってすばちゃんか)にはダシがやや弱く思えるかもしれないな、と思いながら一気に食べきってしまいました。

まんぞく。
店主はラーメン作りに忙しく、後ろ姿しか拝めませんでした。

お礼を言って店をでます。ああ、ひさしぶりのがんこだった。特に、二代目の作品を頂くのは十数年ぶり。


永平寺

というわけで永平寺です。

高校生のときから行きたかった永平寺がすぐ近くにあるらしい。
京福電鉄電車&バスで小一時間でしょうか。

京福電鉄はワンマン電車でした。出張で乗った近江鉄道と似たような感じでしょうか。鉄な人ではないので良く分かりませんけれども。
東古市で降り、駅前で待っていたバスに乗り換えます。車道は積もっていないものの、歩道も畑も民家の屋根も、少なくとも2〜30cmは積もっています。山の木々は枝々に少しずつ残る雪がまだらに山を彩り、景色の素敵さにドキドキします。

永平寺は観光慣れはしていますけれども、曹洞宗の出家専門道場ですから、間違いなくそれなりの修行の場です。ファンシィダンスでも分かるように、修行としてアマアマな曹洞宗ですけれど、名僧もいると聞きますから、油断はできません。

山内は磨き上げられ、掃除がいきとどいています。一回りして、道元の眠る承陽殿に参拝します。帰りに僧堂をのぞき込むと、幕の向こうで打坐の最中のようです。観光のオバちゃんたちがデカい声で話ながら通り過ぎて行く中で、かすかに厳しい叱咤の声が聞こえる。げげ。やってるじゃん。

さっき窓から見えた雪かきの作務は重労働だろうなあ。

展示室で、道元の普勧坐禅儀の写しを見て、うーん、空海の流れるような筆に比べるとどっかでこぼこしているけれど、一字一字の気合はなかなか凄いなあ、と思います。

帰りのサンダーバードは座れたので白い大地と白黒の山並をぼんやりとながめながら、リクライニングさせます。一週間充電を忘れて鞄に入れっぱなしだったiMODE端末はひとつ書き込みしたら電池が切れてしまいました。
・・・ちょっとひと眠りしようか・・・。


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文市(あやち)=青野宣昭