ゴールデンウィークこそ風邪で寝込んで行けなかったけれど、六甲山を毎週お散歩しています。
春になり、やまざくらを見に数ヵ月ぶりに六甲に登りました。それ以降、六甲高山植物園のクリンソウ、六甲森林植物園のシチダンカ、そうして最近は縦走路を毎週小間切れに辿って歩いています。1〜3時間くらいずつのお散歩です。
縦走路はそのうち3分割か2分割くらいで通して歩いてみたいところです。
6月半ばから、つるりん&くるくる結婚式、砂しゃん襲来、FHPPC神戸メモリ増設オフ、そして先週はれんちゃんが来て奈良の薬師寺・興福寺に行って来ました。
そういうわけで、しばらく山歩きをしていません。身体が運動を欲しているので、今週月曜火曜はプールに行って泳いでみました。
日曜の夜にいつものようにてるちゃんが来ていて、26日の恒例夏の飯田線オフで青春18切符を買ったけれど残りをどうすればよいか相談すると、20-22日のプランを時刻表を示して立ててくれました。
ぼくがまだ行ったことのない中国地方を回る行程で、尾道-津和野-萩を見るコースです。
で、実行のためには、SLやまぐち号(全席指定)が今からとれれば大丈夫だろうということでした。
そして、その時に、「屋久島とか行きたいよね〜」とも話に出ていました。
初心者向けの本で、日本のスーパーメジャーコースを素人モデルが登るという写真主体のものを買ってしまい、屋久島の写真にひかれるものがありました。
けれど、屋久島に行く行程は結構時間がかかるし、現地に着いても「一月に35日雨が降る」上、縄文杉まで行くには本格的な登山が必須、とのこと、長期休暇をとらねば難しそうな感じでした。
朝起きると目覚め爽快です。体調は万全、今日の飛行機は午後から。シャワーを浴びて朝食をとり、LXのフラッシュのバックアップをとりメールの未読の山に目を通します。
ひそかに公開されたとらハのわっふるへのコンバータを落として試しますが、うまくいきません。Zaurusを持って行くのはあきらめて、m500をポーチに放り込みます。
グーテンベルグ21で待ち時間用の小説を探します。赤毛のレッドメーン家がそこそこ良かったので、今度は・・・。カーの名作「皇帝のかぎ煙草入れ」を買います。LXとm500に転送。どっちで読むことになるやら。
反射型LaVieMXを持って行って屋久島でりりかるおもちゃ箱をプレイするのはやめておきます。たぶん時間がとれそうもありません。
忘れ物は・・・たぶんないはず。飛行機のチケットが本当にとれているのか、どうやって搭乗券をもらうのか具体的なイメージがわかず、ちょっと不安があります。だいたい飛行機のチケット手配なんて生まれて初めてだし。
フィルム足りるかな・・・。荷物を小さなリュックとウエストポーチに納めます。荷造りを終え、Tシャツにジーパンの気軽な格好で部屋を出ます。鳴尾カメラに足を向けますが、木曜はいつもの店員がいないことを思いだし、駅へ向かいます。
今津から阪急に乗り換えます。西宮北口で行列が評判のシュークリームを一つ買います。段取り悪すぎ。行列できるはず。シュークリームはクリーム詰めたてで、シュー皮がパリパリサクッとしていて美味しいです。こういうのはその場で食べたいものです。
蛍池で乗り換え、伊丹空港へ。今日はどうも接続悪いです。
ANAの航空券売機に「チケットレス」の表示。画面を操作してクレジットカードを入れるだけで搭乗手続き済みの航空券が出て来ました。めっちゃ便利。これは利用しないと。
初めての空港のターミナルビルを端から端まで歩いて楽しみます。
4階展望ロビーで風に吹かれながらLXをぷちぷち。やっぱ反射型液晶は良いです。旅の荷物は極力減らすため、本当に頼りになるものに絞られて来る傾向があります。
iPAQも反射型だし、反射型液晶で視認性の高いコンパクトなH/PC2000マシンが出てくれると嬉しいのに。
そろそろ腹ごしらえをして搭乗口へ進もう。
展望レストラン発見、ランチと決め込む。
Tシャツの上にシャツをはおり、眼下に広がる滑走路と飛行機を眺めながらランチ。
ANAの青い尾翼が次々発着する。そうだよな、国内線といえばANAだよな。インターネット予約で、最初JASで大阪-鹿児島を捜して少ないなーと思っていたら、ANAのサイトでは沢山あって両方に会員登録してチケットを押さえたことを思いだしました。
このイタリアンの店は大きなガラス窓から赤外線が入り、適度に冷房が中和されて居心地が良い。見晴らしも良く、くつろいでしまう。離陸から急角度で高度を上げるジェット機はかっこよく、みとれてしまいます。
ウエストポーチとリュックを両方機内に持ち込めるのかな?鹿児島の乗り換えは30分しかないから出来るだけ時間を節約したいけれど。
搭乗手荷物チェックでひっかかる。身体を入念に調べられる。金属は腕時計くらいしか身に付けていないのだけれども。さらに持ち込み手荷物の方も、ウェストポーチに入っていたキーホルダー代わりのビクトリノックスクラシックが預かりになってしまった。鹿児島空港での乗り換えは間に合うのだろうか。到着が遅れなければよいのだけれど。
JASのチケットレス搭乗券はすぐ発行してくれるかな、ちょっと心配だな。
・・・まあ万事うまくいくだろう。
気付くと離陸、西宮スタジアムや甲子園球場がはるか下に小さく見えては過ぎていきます。速いなあ。
徐々に雲が増え、飛行機はさらに高度をあげます。薄い雲の南に真っ白に輝く入道雲が立ち上がっています。(竜の巣だ!)と心中叫びます。
飛行機は雲海の上を飛んで行きます。鹿児島は雨だそうで、明日は雨の中の縄文杉登山になりそうです。
飛行機が高度を下げ、雨雲の下に入ると、窓ガラスを水滴が流れます。
ときどき覗く地上は濡れた色です。ホントに雨だ。
定刻ピタリに着陸した鹿児島空港では、手荷物が流れ出す前に、係員がポケットナイフを持って来てくれました。乗り換え時間が短いことを連絡してくれていたらしい。良いサービスです。
JASのカウンターでチケットレスで買ったことを告げ、VISAカードを渡すと、行き先と名前を尋ねられ、すぐにその場でチケットを渡されます。やっぱり便利。カウンターが空いていたこともあるのだろうけれど、非常にスムースで快適です。
15分前に手荷物チェック。例によってひっかかる。念入りな身体チェック、ベルトのバックルがよく反応しています。これでひっかかって鳴ったのかなあ、係員は不思議そうにバックルに検知器をあてています。作業着用の布ベルトのバックルだから鉄製なのかもしれません。
リュックもなぜか再度チェックに回され、ベルトコンベアを止めて念入りに見られています。問題のビクトリノックスクラシックを入れたウエストポーチは素通り。伊丹よりチェックはゆるいようです。
搭乗口に急ぎ、なんとか10分ちょっと前に到着。ギリギリやぁ。と、そこに15分遅れのアナウンス。あらら。
搭乗口にある畳敷きの大きな長椅子に座り、まったりする。伊丹と比べて乗客ものんびりとした雰囲気。
iModeはアンテナが立つことを確認。LXを取り出してプチプチ。
ようやく搭乗。改札を抜けて1階に下り、バスで飛行機まで。YS-11は初めて。ワクワク。
主翼のすぐ後ろの席で騒音が大きい。雲が厚く、桜島が見えません。さすがにボーイング777のようなスピードは出ていないようです。到着は35分遅れとのアナウンス。
薄く低く広がる種子島を横に過ぎると、右前方に巨大な、空にそそり立つような島が見えます。「洋上アルプス」とはよく言ったもので、六甲山以上に海岸線から一気に山が立ち上がっています。屏風のような前岳の連なりの向こうに、さらに高い奥岳の最高峰がはっきり見えます。山頂に雲はかかっておらず、鹿児島と違って良い天気です。曇りのため激しい日光もなく、最高のコンディションに心が踊ります。
飛行場に降り立つと、南国の空気、空気の温度が違います。幸いの曇天で救われます。空港で登山届をさくっと書いて出します。バスは一回り遅れて逆に丁度良い時間になっていました。
バスの窓から山を眺め、宮之浦岳までの登山ルートにせず縄文杉止まりにしてよかったと思います。アレに登るのは登山家な方に任せた方がよさそうです。時間がとれれば面白いかもしれませんけれど、今回は2泊、丸々自由になるのは1日だけです。
YS11の機内で日本地図を眺めて、屋久島は大きな島だと気付きました。丁度六甲山塊と同じくらいの大きさです。島の直径は甲山から須磨くらいの距離がありそうです。
実際に目の当りにして、屋久島の迫力とスケールに圧倒されます。
・・・ところで、民宿八重岳の住所は宮之浦としかわからないけれど、場所はどこなんだろう?
八重岳はバスからすぐに見つけられました。
次のバス停の宮之浦港入口まで乗り、街を眺めながらぶらぶら戻って来ます。
「こんにちは」
おねえさんがすぐに気付き、明日早朝の弁当を頼み、記名後案内してもらいます。
える☆さんの旅行記を過去ログから発掘できずに出て来てしまいました。たしか去年の夏だったと思ったのに、勘違いだったかしら。
地図を広げ明日の登山プランを練ります。11時間の行程。雨さえ降らず、怪我をしなければ、余裕がかなりあります。順調だったら帰りに辻峠を越えて白谷雲水峡を抜けて楠川まで踏破しようかと色気が出ます。そりゃ酷い強行軍すぎか。普通に歩いたら14時間くらいは必要かな。夕食までに戻れなかったり、遭難するのは嫌だなあ。白谷雲水峡の終バスは終わっているので全部徒歩で里まで下りないといけないし。
う〜ん、写真も撮りたいし、明日の体調と楠川分岐に戻ったときの時間で決めよう。
おねえさんがホールの電灯を消しにきます。あ、もう8時。そろそろ寝ないと
明日4時40分には起きられない。(汗)
でも旅のノートをついつい最後まで読んでしまいます。おもしろいよね。
部屋に戻って、さ、巡回しよ。あ、せっかくだから旅行記書いてアップするかな。
・・・いつのまにか9時過ぎ。こんなんで明日大丈夫かなあ。(^^;
とうとうトロッコ道とお別れするときがやってきました。楠川分岐まで1時間10分かかるところを50分、そこからトロッコ道から大株歩道に入るところまで55分でした。汗をかなりかいて、全身びしょ濡れになったので、レインウェアを脱いでしまいます。さらにびっちゃり濡れてずっしり重くなったTシャツを脱いで上半身裸になり、たたんで絞ると地面に水たまりが出来るほどでした。
身体を拭いて、水を飲んで立ったまま休憩をとります。Tシャツは乾きそうもないので、良く絞って振ってから着ると、やっぱり気持ち悪いです。少しすると体温で温められ、問題なくなってきました。
5分ほどして出発です。片道3時間で踏破するには、あと1時間10分しかありません。大株歩道を歩き始めると、いきなり急な登り坂で息があがります。今までが平坦だった分しんどく感じます。トロッコ道を延々歩くのもしんどいけれど、この登りもたぶん観光気分でくるとこたえることでしょう。
しばらく登ると角度がゆるやかになり、さらに進むと道なのか川なのか分からないような道になって進んで行きます。防水製の登山靴でないと歩行は困難でしょう。
急な坂道を水に気を付けて進むうち、お立ち台のようなものが作られている場所があります。何の気なしに台に乗ると、今まで巨大な岩塊だと思っていた左手の影が、実は大きな杉の木であることに気付きます。立て看板があり、「翁杉」と書いてあります。その屋久杉に気付いたとき、思わず大声をあげてしまいました。「おおーーー!」「すっごーい!」
まさにイメージしていた「屋久杉」通りの巨大で、様々な植物の衣をまとった貫禄のある姿に、感激してしまいます。
屋久杉との初めての出会いに、一人気分が高揚して、縄文杉など見なくてもこれで十分、などと思ってしまいます。
一通り眺めた後、出発します。ほんのわずか登ると、開けた平らな湿地帯に着きます。正面に見えるのはウィルソン株です。
お約束のように感動で声が洩れてしまいました。すごいです。美しいです。
ここで初めて山小屋に泊まっていて朝小屋から下りて来たカップルとすれちがいます。あいさつをかわし、ウィルソン株の中に入ってお参りします。なかは完全に空洞で、天井はなく、見上げると空が見えます。寮の部屋など問題にならない位の広さです。ウィルソン株の内側にも、こけが付きかけています。一帯は湿地帯になっていて、と言うより一面あちこちに清烈な清水がとどまることなく流れています。水はとても綺麗です。
秀吉の命で京都の寺の建築資材のため島津が切り出したといわれています。それをウィルソン博士が屋久島の植物を調査した際に再発見したものだそうです。
翁杉とウィルソン株ですでに十分な感動を味わった気がしたためか、ウィルソン株から大王杉への道のりは遠く感じました。
大王杉は最初通り過ぎてしまい、ふと振り向いて気付きました。夫婦杉は道から少し離れた場所です。
辻峠への登りに入ります。地図では所要時間1時間ですから、まあ45分〜50分でいけるかな、と甘く考えます。
で、この辻峠越えが実は地獄でした。登っても登ってもまた登り。そして今までの疲れが押し寄せます。10分ちょっと登ったら、もう息があがってしまいました。
ペースだけは崩さないように、とにかく足を前へ進めます。疲れ果てて時計を見ると、さっきから5分しか進んでいません。完全にバテてしまっているようです。
(休まずに、ゆっくりしたペースでもとにかく休まずに)と言い聞かせながら必死に登ります。苦しい。
25分ほど登って、ほとんど限界を迎えます。今まで歩いた倍の距離を登るのだとすると、もう気力体力がおよばない。でもここで座り込んだらそれまで、そのまま本当に今日一日動けなくなって遭難してしまいそう。
眼前に大きな岩屋が出現しました。ああ、これがもののけ姫の。立ち止まってシャッターを切り、そのまま歩き始めます。止まったら終わりだ。
ところが、そこから3分ほどで辻峠に到着してしまいました。「辻峠」の標識を見て、思わず安心して座り込みます。なんだ、まだ倍の道のりがあると思ってた・・・。ラッキー、というか、所要時間1時間ってなんだったんだ。
おそらく休まずに一気に登ったのが良かったのでしょう。たぶん、普通はもっと休み休み登るのでしょう。
Tシャツを絞り、水を一気飲みします。
余裕が出て来たため、足元を確かめながら急がずに歩き始めます。もっとも、悪路の下りなのでこれ以上スピードを出すことは出来ないのですけれど。
この辻峠から白谷雲水峡までの間の景色が、今日一日で一番気に入りました。緑の苔に覆われ、巨木の切り株・倒木跡に二代目の杉が育ち、美しい澄んだ水が流れます。
個人的には、大株歩道よりずっと良かったです。しばしば立ち止まって景色に見とれてしまいます。
結構時間がかかりましたが、白谷雲水峡に入ったようです。観光客が沢山います。
擦れ違うとき「こんにちは!」と声をかけても無愛想なのが、登山者と違うところです。
せっかくなので原生林コースを選んで、逆に辿って行きます。いきなり美しい湿原があります。屋久島に観光に来るなら、縄文杉を見に行くより白谷雲水峡の2時間半コースを回ったほうがおすすめかもしれません。
ただ、この原生林コースは曲がりくねってアップダウンの激しい道で、この後後悔します。もう山歩きは十分、という気分だけでなく、足が動かなくなってきているのに登り下りを繰り返すのはしんどいです。
1時間ほどかけて原生林コースを抜けます。さらに弥生杉コースというのもあるようです。バスの時刻表を確かめると、まだ余裕があるので、こちらも回ってみることにします。ここまできたら、毒をくらわば皿までの心境です。
弥生杉の前で、京都からついたばかりという登山姿のおじさんに頼まれてシャッターを切ります。ヤシカのカメラです。
白谷雲水峡をようやく抜けるとバス停があります。濡れたTシャツをと靴下を脱ぎ、念のため持って来ていたものに着替えます。さっぱりしますが、パンツ等は濡れたままなので、そのうちシャツも下から濡れて来てしまいました。
バスに乗って一眠りするともう宮の浦のバス停です。下りて、使いきってしまったフィルムを売っている店を探します。6本か7本あったはずなのに、一気に撮りきってしまいました。
杉細工の土産物店のおばさんに「フィルム置いてませんかー?」と聞くと、その店には置いてないようです。
「さあ、入って入って。今暇だったの」と、麦茶をすすめられます。
「フィルムはすぐ近くにスーパーがあるから、そこが安いよ」と親切に教えてくれます。
そして、屋久島の昔と今について、いろんなお話をしてくれました。
おばさんが子供の頃には、屋久島は島の恵みで暮らせていて、島の恵みの中で感謝して生活するのが屋久島皆の考え方で、それが当たり前だったそうです。それが最近、そうではなく、浜に入るために千円とったり、ガイドで1万5千円とったり、輸入した土産物を屋久島土産として売ったりしているのは絶対おかしい、そんなことでは観光客だって馬鹿じゃないんだし、きっと屋久島は駄目になる。と言います。
観光客の方も、ツアーが増えて来て、会社の慰安旅行などで来たくもない屋久島に来る人が増えているようだ、と。島の人も農作業をしなくなり、パチンコばかりやっている人が増えていてる。
屋久島は南の島で、みなのんびりしていて親切なのが本来なのに、金もうけを計画する人がだんだん増えて来ているようだ、と。
30分ほどおしゃべりしていたでしょうか。最後におじいちゃんが作っている屋久杉のコースターやその息子の作った湯呑みを買って出て来ました。
フィルムを買い、おばさんにすすめられた町営の資料館に足を向けます。まあ時間はちょうど空いたので良かったです。
宿に戻り、ゆかたに着替えて下に下りると、洗濯機は使用中でした。ちょうどお風呂の用意ができたと声をかけられたので、大喜びで風呂に入ります。
気持ちいい〜〜〜。
風呂からあがると、宿の娘さんがにこにこと洗濯物を干しているところでした。洗濯機を借りて汗だらけの服を洗濯しました。
夕食は、昨夜に続いてとても美味しい屋久島の幸です。トビウオのてんぷらの、トビウオの羽の部分をぜひ食べるようすすめられます。パリパリでおいしい!
どの料理もおいしいおいしい、残らず平らげてしまいます。
朝一緒に出てバスに乗った男の子が戻って来ました。
今日は人数がとても少なく、5人だけです。3人が若い女性で、話がはずみます。宿の主人も入って色々な話を聞けました。とても書ききれません。
7月15日(日)以降は予約が一杯で50人を超えており、今一人で占領している部屋に5人入ってもらわないといけないとか、日曜以降は一人旅の客はお断りしているという話を聞いて、本当にギリギリのタイミングで宿がとれたことを知りました。
辻峠を越えて来た話をすると、主人も荒川口より辻峠がずっと良い、と言われます。
給仕の女の子は愛知出身の2ヵ月間のバイトだそうで、ウミガメの識別票を記録したりすることをやっているそうです。ウミガメが可愛くて仕方ないようです。
三岳という焼酎を一口味見したため、部屋に戻って数時間意識を失っていました。
身体が疲れ過ぎていて眠れないので、LXをぷちぷち。巡回もしておこう。
目が覚めると巡回もせずにLXが開いたまま転がっています。時計は8時をさしており、すっかり寝坊してしまったようです。
食堂に下りると皆が朝食中でした。愛知の女性二人は今日トッピーで帰るそうで、昨日縄文杉に登った人は宿のバイトの娘とヤクスギランドに行くそうです。ぼくは今日はのんびりと海岸線を歩こうと思う、と答えました。
おかわりをして腹ごしらえは十分、宿のお姉さん、バイトの娘、主人にお世話になった挨拶をして出発です。
朝一番に起きていれば、午前中北側(いなか浜)に行って午後南(大川の滝)を目指そうと考えていたのですけれど、バスの時間から、順序を逆にしてまず南を目指すことにします。
バスの運転手は今日もとても親切な方で、色々説明してくれます。南の終点栗生橋から大川の滝までは徒歩で1時間なので、大川の滝まで行くバス(1日に1本)に乗るのが本当は良いそうです。
屋久島は大きく、バスには1時間半は乗っていたでしょうか。終点について歩きだします。
アスファルトの車道なのでしんどいです。山道なら木陰なのに。40分も歩くと、大川の清水があり、喉を潤します。
5分ほどで大川の滝です。落差88m。なかなかの大きさで、屋久島では最大です。千尋の滝と違って良いのは滝壷まで行けること。千尋の滝はかなたにながめるだけで、民宿のでの話では皆あまりおすすめではないそうです。大川の滝と書いて「おおこのたき」と読みます。
迫力に見とれます。滝壷の岩に腰掛けて、LXをぷちぷち。水しぶきがかかって涼しく過ごせます。手をすべらせればLXは終わりです。多少の水しぶきではLXがイカれはしないのが安心です。
速攻でとって返して北へ向かうプランは棄却し、今日は南の海岸線でまったり過ごすことに決めます。大川の滝まで歩く途中にあった白い砂浜に下りようと決めます。
風が変わって水しぶきがはげしくなってきました。ぼちぼち移動しよう。結局小一時間大川にいました。
大川の湧き水を再びごくごく飲んでは汲み、徒歩で戻ります。
途中で海側にそれる道を発見、ずんずん入って行きます。しばらく歩くと、うみがめが産卵に来る浜に到着です。うみがめ観察小屋は夜中に産卵を見学するためのものなので、そのまま海を目指します。
海だ!
そういえば南の島に来ているのに海は初めてです。小学生低学年くらいの男の子と女の子が泳いでいます。泳ぎたい!
海岸を散策します。真っ白な砂浜に入ると、すべて珊瑚の殻で白くなっていることが分かります。岩場でカニを追いかけたりしながら、次のバスに乗るか、海で一日過ごすか迷います。
水着さえあれば泳ぐのに・・・。
水着を売っている店など近所にありません。20kmほど戻った尾の間ならスーパーがあるかもしれない、という世界です。
・・・水着がなくても、いいか。
意を決して、荷物を下ろし、ジーパンとTシャツを脱ぎ捨てます。まあ、水着に見えないこともないトランクスなのでぜんぜんおっけーでしょー。水に入ると、
気持ちいい!
やっぱ海だね。透き通る砂浜から岩場の方へ泳ぎます。海は身体が浮いて楽です。
岩場は波が荒いので、激突しないように注意して泳ぎます。ほんとうに気持ちが良いです。
軽く泳いだ後、荷物に戻ってコンタックスT3を持ちだします。波しぶきをあびても使えるか耐久試験です。波間に見える屋久島の山は、山頂付近が雲に覆われています。きっと雨なんだろうなあ。
満足したので、足を水にひたしてLXでぷちぷち。左足にマメができていたようで、冷やすと気持ち良いです。
砂浜の珊瑚の殻の写真を撮ると、小さな貝が動き出します。目の錯覚かとファインダーでなく裸眼で近づいてみると、ヤドカリでした。本当に、どこもかしこも生命が溢れています。
大川の湧き水を飲んでゆっくりします。う〜ん、最高。
空港に着いて、チケットレスを申し出て名前を名乗りVISAカードを渡すと、航空券を出して搭乗手続きをしてもらえました。職場へのおみやげを買い、そう言えば昼食がまだだと気付き、うどんとジュースの食券を買って食堂に入ります。
うどんは具だくさんで満足しました。
飛行機は少し遅れているようです。鹿児島の乗換えは、往路ANA047(14:45鹿児島着)JAC077(15:15鹿児島発)と違い、復路JAC078(18:30鹿児島着)ANA826(20:05鹿児島発)と余裕があるので大丈夫でしょう。ANAの航空券は手許にあるし。グァバジュースを飲んでゆっくり待つことにします。LXを取り出してぷちぷち。
それにしても、鉄道はダイヤが正確だよなー、なんでだろう。今度鉄な人に聞いてみなきゃ。あ、でも飯田線はけっこう派手に遅れていた気も。ふうむ。
また搭乗チェックにひっかかるのは確実なので、そろそろ搭乗口へ進もう。
ゲートをくぐると、やっぱりブザー。ベルトのバックルと、ベルト先端の金具が該当するようです。ついでにビクトリノックスクラシックも取り上げられます。帰りのANAの航空券があるため、関空受取となります。そうか、行きに乗り継ぎチケットの提示を求められたのはこのためだったか。チケットレスも良いことばかりではなかったようです。
YS-11です。左側の窓際のため、屋久島の山々が望めます。特徴のはっきりした愛子岳やモッチョム岳、機が上昇するとさらにその奥に宮之浦岳を始めとする三岳が雲をまとっています。ああ、また来たいな、屋久島。
YS-11のプロペラの向こうに、太陽が屋久島に落ちようとしています。鹿児島までは離陸後わずか30分、あっという間です。
行きにはダッシュ乗り換え状態だったので、鹿児島空港のターミナルビルを一巡りします。送迎デッキに入るのは入り口で50円するのでやめておき、薩摩揚げをかじり缶茶を飲みます。
搭乗手続きを済ませ、しばらくぶらぶらした後で搭乗口へ向かいます。何か食べようかとも思ったのですが、妙に満腹でした。1個100円の薩摩揚げを食べたばかりなのを失念しています。
関空行きは777でなく、A-321でした。ちょっとだけ小さいジェット機。
機内サービスがあるのでジュースを頼みます。せっかくテーブルを出したのでLXを出してぷちぷち。
窓の外遠くで稲妻が光ります。岡山あたりかな。
着陸体制に入り、LXが使えなくなります。これが飛行機の欠点。ふと見ると、眼下に淡路島です。その先の明るく輝く所が明石でしょう。しばらくすると、明石海峡大橋が視認できるようになります。あ、神戸が見える。六甲山だ。
こうして空から見ると、屋久島がいかに高い山が連なる島だったか実感できます。また、帰って来たなあ、と。
明石-須磨-神戸-西宮とだいたい分かります。その先の大阪は、輝く市街がただ広く町の名前が分かりません。梅田はどこだろう。あの辺が天王寺かな?どうにも判別がつきません。堺の港が見えます。もうすぐ関空かな。そうして関空と本土を結ぶ道路が見えます。道路を走る車がはっきり見えます。あの車から見たらきっと飛行機が自分に向かって落ちて来るように見えるんだろうなあ。
関西のパノラマが美しい夜景でみられたのも飛行機代と思えば、夜行バスにしなくてよかったのかもしれません。バスは12000円だから差額4千円、やっぱ高いか。まあ体力と時間を買ったら夜景のお釣りがきたという感じかもしれません。
関空からはJRと決めていたので、迷わず改札まで。時刻表を読んで想定した電車より1本早い9:30のに乗れました。20分も予定より早いです。
電車の良いところは、厳しい機内手荷物持込み制限がないことと、LXをいつでも使えることだな、とひどく実感します。
今度は、列車で行ける旅なら列車がいいな。あ、来週の宿、まだ決めていないや。広島と、津和野。広島はどこかビジネスホテルかなあ、津和野は早めに宿を探して予約しておかなきゃ。
それにしても・・・なんだか眠いです。今日もずいぶん歩いたし、やっぱり疲れているんだろうなあ。
明日は休みだし、帰ったら、ゆっくり眠ろう。