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HP200LX生産中止反対署名提出について

HP 200LX Continue!
HP200LX生産中止反対運動

署名提出の場の雰囲気について

署名一次集計後のHP社への提出の場にたまたま立ち会いましたので、その場の雰囲気がどのようなものであったか書きとめておきます。

内容を正確に全部覚えていないので、きちんと報告できるかどうか自信がありませんけれど、とりあえず書いてみます。
抜けや誤解が多々あるかもしれませんけれど、どういう内容であったか知りたいと思われるでしょうから、ぼくが思い出す限り全部書いてみます。
脈絡なしに述べているのは、ぼくにヒアリング能力がないためと、実際に様々な話題がでたことによるものです。

署名活動一次集計を提出日前日の夜に東京で有志で行い、たまたま一晩ぼくの手許で預かった形になってしまいました。翌日、それをFHPPCシスオペのNORIさんに渡すために抱えて待ち合わせ場所に行きました。

その場で手渡してすぐに新幹線で帰るつもりでいたので、時間になる前にパーソナルシステムズ事業統括本部企画室室長の方と、パーソナルシステムズマーケティング部門パームトップビジネスユニットマネージャの方がいらっしゃって、トム ティアナン氏が到着するまで会議室代りの小部屋をとってあるので待ってほしいと聞いて、次の予定を考えると気が進まなかったのですけれど、NORIさんから提出するのを確認だけはしないといけないと思い直し、ついて行きました。
企画室室長の方は開口一番、日本HP社長がどうしてもスケジュールの都合上出席できなかったことを詫びられて、パーソナルシステムズ事業本部統括本部長のトム ティアナン氏が当該事業の日本HPでの責任者であること、日本HPの組織上の当該事業の責任者であると同時に、米HP本社の中でも組織上重要な地位(なにかの事業ユニットの責任者の一人だったかと思います)にある人物であること、米HPの当該事業の最高責任者にユーザーの意見を伝えるのにもっとも適切な立場であること、事業の内容については事業部に責任と権限が委譲されている会社組織であること、等について説明されました。正直どういう組織か、ぼくは、正確には分からずに聞いていました。
もしかしたら勘違いがあるかもしれません。

トム ティアナン氏が到着するまで、企画室室長の方からは、自分は実は200LXユーザーで、FHPPCには日本語化や様々なソフトや倍速化などで、ユーザーとして大きな恩恵を受けており大変感謝しているといったことや、社内でもユーザーはいて残念に思っていることなど、雑談的に話がありました。また、去年一年間の販売数が激減しているのです、という話がありました。また、トム ティアナン氏は自分よりはるかに高い地位だけれども、とても若い、技術者出身の方だと紹介がありました。
また、企画室室長の方は、Jornada680が200LXの代わりになるとはまったく考えていませんと言われました。

そうこうしているうちに、パーソナルシステムズマーケティング部門パームトップビジネスプロダクトマネージャの方と、パーソナルシステムズ事業統括本部統括本部長であるトム ティアナン氏が到着しました。

日本語は聞く方は少し分かるとのことでしたけれど、トム ティアナン氏からの発言はすべて英語でした。英語がからっきしできないぼくはそれ以降通訳を通して会話の内容を理解することになりました。

トム ティアナン氏からは、お忙しいところ貴重な時間を割いていただいたとしてまず深く感謝の意を表して、ユーザーの方からのフィードバックを感謝し、受け止めて、米HP本社のこの事業の最高責任者にも話をしてみると言われました。今回の200LXの件については、すでに企業として様々に検討した上決定したことであり、決定を覆すことは非常に難しいだろうとも言われました。生産中止の日を11月1日から少し伸ばすことができるかを含め、話はしてみると約束されました。

その後トム ティアナン氏からの話のたびに、ユーザーからのフィードバックを感謝し真剣に受け止めそれをこれからに活かして行きたいとの言葉が繰り返されました。

NORIさんの方からは、実にたくさんの言葉で署名活動が行われた実態について説明がなされました。
また、大きな利益を直接生み出すような製品でなくても、HPとしての宣伝効果の意味で、200LXのような製品は意味があるはずで、その面から考えて欲しいと提案されました。

NORIさんから、今のHPの技術で200LXと同じものをつくれば、それが現在の技術を反映させることにより、HPの技術的なデモンストレーションとなり、宣伝効果が期待できるはずだとの提案がなされました。

トム ティアナン氏はご自身の経験から、たとえばHP電卓が熱心なユーザーに愛されてきたことなどについての話がありました。

署名について、今日お持ちできた署名は数としては少ないと思われるかもしれないけれど、これはわずかな人数で、ほんの数日の間の活動で、ごくごく限られた範囲で行ったためであって、それにもかかわらずこれだけの数があつまったのだと理解して欲しいと述べました。

HPは研究だけをおこなっている「HPラボ」に売上の10%もの投資をしており、そこでは、たとえば分子レベルで動作する、腕に埋め込むようなこともできるようなコンピュータの研究など、様々な研究を行っているのだと説明がありました。

200LXの発売から5年間という時間の流れによって、技術も状況もずいぶん変わってしまっており、200LXを作りつづけることの困難があるとの話がありました。

こちらからは5年間という時間により製品寿命がくるのは納得できるが、十分な後継機が出ていないのは納得できないと話しました。

こちらからの質問として、Webページでプレスリリースを読むと、生産中止に至る理由がわかりにくく、このためにユーザーのなかで様々な憶測と混乱を呼んでしまっているので、これが生産上の部品調達といった理由なのか、収支管理上の理由なのか、明確に返答してほしいと言いました。これについては、その場での返答は難しいためできないが、日本HPからの発表を行う予定なので、その中で「クリアにする」との返答をもらいました。同時に雑談的に、ひとつだけの理由ではなく、様々な原因の結果として検討の上決定したことだとも漏らされていました。「ファイナンシャル」な理由、今後携帯機器が様々な可能性と技術によって発展していくために何を選択しなければならないかの検討などなど、単純に一つの理由ではないとのことらしいと言葉の端々にうかがわれました。

また、故障修理のサポートについて、5年間きちんと行うのかどうか明記してほしいとれんやさんからの指摘に対して、瞬時にもちろんそれは当然のこととして日本HPからの発表に含めるとの返答がありました。

日本HPから7月末に、この件について発表をする予定だという話がありました。
(これが先日の発表のことだと思います。)

5年間の故障修理のサポートについては、実はHPとしてのポリシーで従来すべての製品について5年間の故障修理のサポートをお約束していたこと、そのポリシーが時代の流れに応じて、昨年に大きく変更となり、故障修理のサポート期間は全製品5年から、現在では、製品ごとに各事業部での決定にゆだねられることになっているとの説明がありました。

NORIさんから、200LXの筐体をユーザーで作れないかといった試みが既に行われはじめているとの話があり、コネパクなどのソフトをフリーで提供してもらえないかとの話がありました。
200LXの関連ソフトをライセンスフリーにしてほしいとの提案がなされました。

署名はNORIさんから米HP宛の分と日本HP宛の分二通がトム ティアナン氏に直接手渡され、これについて、トム ティアナン氏は、米HPの責任者に渡し、ユーザーからのフィードバックとしてトム ティアナン氏から米HPの責任者に話をすると言われました。

また、LXについては、以前は開発はコバリス、生産はシンガポールだったが、その後この事業すべてを丸々シンガポールに移管しているように理解していたけれど、今回シンガポールでなく米HP本社が生産中止の決定にからんでいるのはなぜかという疑問に対し、パーソナルシステムズマーケティング部門パームトップビジネスユニットマネージャの方から、通常は事業部門、この場合はシンガポールだけで生産中止の決定を行うのだが、200LXは重要なプロダクトであるためシンガポールだけで決定せず、本社に相談し、検討を行った上での生産中止の決定を行った経緯があるとの話がありました。


終始紳士的で、真摯にユーザーの声を聞く姿勢で、好ましい雰囲気だったと思います。


補足1
時間的な制約と、Lime Lightさんの病気により、署名をいただいたみなさまからおあずかりした署名の紙をを間違いなく集計してコピーをとることしかできずに待ち合わせの場所に行ったため、受け渡し時の会話にについての準備などはまったくできなかったのが実情です。というか、個人的には署名提出の場に出席することはその瞬間まで考えていませんでした。

補足2
ぼくの感想を付記しますと、一次集計分としてお預かりした生産中止反対の署名については、まちがいなくHPに渡すことができたとは思います。
もちろん、所定の署名用紙の文章だけではユーザーの考えをすべて伝えきれていないのかもしれません。これは時間の制約等でしかたなかったとはいえ残念だったと感じました。

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文市(あやち)=青野宣昭