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三段峡−因島

輪行写真


週末おでかけ

輪行写真
朝4時半、夜明け前に起き出し、夜明けとともにトレンクルに乗って出発です。
荷物は時刻表とガイドブックとタオルと小箱。小箱はSL-C760とh1920です。
輪行では、自転車が荷物になるので、自転車以外の荷物は極限まで減らしていった方が楽ができます。
甲子園口から新大阪まで移動します。新大阪で切符を買います。三段峡まで。
ひかりレールスターの車両の端にトレンクルを置き、ゆったりと座席に座ります。
車内販売のホットコーヒーを飲みながら、h1920でぽまかせ同好会を動かしてみます。akira系の操作感です。


広島

広島駅で乗り換え。8:02発可部線はやりすごして、食料調達しておきます。あなごめし。おやつにチーズケーキ。
次の26分発で可部まで行っても、三段峡行は同じ汽車に乗ることになります。三段峡まで行くのは一日4本だけです。
可部行きは普通のロングシートの通勤車両です。時刻表を取り出し、帰りの時刻をチェックします。
三段峡発加計行は、15:05/17:21/19:42です。バスだと広島BC行が15:30/17:53です。バスの方が所要時間は短めです。
三段峡駅に着くのが11時頃、駅から三段峡を一番奥まで歩くと片道4時間だそうです。
とっとと歩けば、片道3時間くらいでいけるかな。往復6-7時間だと15:05には間に合わないな。普通のペースの倍の速度で間に合う勘定だけど、さすがにきついだろう。
いっそのことトレンクルをかついでハイキングして、帰りは国道を自転車で戻るという手も。山を越えて浜田に抜けることも可能でしょう。山陰側だとその後の動きに時間がかかってしまいますけれど。
地図を見ると聖湖から三段峡駅までの道でも峠が二つばかりあるようです。むう、距離がごく短いからBD-1なら楽勝だけれどトレンクルだとちょっと無理があるかも。
だいたい片道4時間のハイキングコースを自転車かついで歩くだけでバテてしまうような気がします。
やはり三段峡駅にトレンクルを置いて徒歩で往復するのが現実的だな。
三段峡から手合橋はバスがあるようです。調べると一日一本、これは使えない。ふうむ、阪神間から日帰りするような場所じゃないよな、三段峡は。やはり今晩は広島に泊まるしかなさそうです。日帰りプランをあきらめると、三段峡でゆっくりハイキングを楽しめそうです。明日一日かけて帰るなら青春18きっぷでまかなえて安上がりです。


可部線

輪行写真
可部行が住宅地を縫うように単線を進んで行くうちに、おおまかな今日のプランが決まりました。
可部駅では弁当もペットボトル飲料も売っていません。広島駅で調達しておいて正解だったようです。
可部で三段峡方面に乗り換えるのは、ハイキングに出かける家族連れと、カメラでそれと知れる鉄な人々。
カメラといえば、ペンタックスから一眼デジカメ「*ist」が発表になりました。MZユーザーとしては、KマウントAFレンズがそのまま使えるようなのでとても気になります。CCDはAPSサイズでしょうから、銀塩35mmと画角がだいぶ違うのは慣れるのがかったるい気もしますけれど、使ってみればすぐ慣れるものかもしれませんし。
銀塩版*istは65000円くらいだったかと思うので、20万円はいかにも高く感じるのが欠点です。レンズ交換式デジカメとしては筺体サイズがとってもコンパクトなのが魅力です。


可部線三段峡行

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そうして可部線三段峡行は発車です。広島からギリギリ接続した電車からの乗り換えで、車内の座席は埋まりました。
可部までは住宅街の中を進んでいた可部線ですけれど、可部を出ると景色が緑に変わります。最初のトンネルを抜けると、もう山の中です。むう、帰りの道をトレンクルで下るのは危険だ。ブレーキの制動能力を超えてしまう。
うとうとして、目覚めると落石注意区間をゆっくりと汽車は登って行きます。釣り人が所々に立っている川を見下ろして、里ごとの駅で停車して走ります。
山肌は木々に覆われているものの、急です。なだらかな兵庫県やもっこりした岡山県とは違い、広島の急峻な山に近いです。
川沿いに里は続きます。もっと人里離れた路線かと思っていましたけれど、全然そんなことはありませんでした。川は濁っています。
筒賀駅で家族連れが結構降ります。加計でもほとんど降りた様子はなかったのに。
車窓から眺めていると、軽自動車の屋根に自転車を積んで走っている人がいます。汽車より軽自動車の方が圧倒的に速度が速いです。


三段峡駅

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三段峡駅を降りると、バスが出て行きました。トレンクルを駅前に放置し、さあ歩きだそうかとすると、もう一台バスがやってきます。出合橋までのマイクロバスです。おじさんに話を聞いてバスに乗ることにします。
健脚なら、出合橋から二段滝か三段滝のどちらか片方だけを見て、黒淵経由で帰れば15時の汽車に間に合うそうです。
自転車の人が一人、ロードで走っています。上り坂がかなり辛そうです。
バスの運転手のおじさんは丁寧に案内してくれます。三つ滝はバスで行くのは無理と聞き、今日は二段滝-三段滝-黒淵経由で駅に戻って3時の汽車で広島に戻ることに決めます。


猿飛

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二段滝まで小走りに進みます。二段滝の手前から、滝に行くには徒歩でなく、船で猿飛を抜ける必要がありました。滝よりも、猿飛が良かったです。船で両側にそそりたつ絶壁と深淵を進むのは神秘的な風景です。


輪行写真
かなり元気な人でないと3時に間に合わないということなので、二段滝-三段滝は回峰行ペースで回ります。汗をびっしょりかいて三段滝までたどり着きました。バスを降りてから1時間です。


三段滝

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三段滝の前であなご飯を広げて昼食にします。時間的にはだいぶ余裕ですが、たしかに三つ滝は無理そうです。車道も、トレンクルはおろかBD-1でも走破する自信がありません。めっちゃ急坂です。斜度10%を超えているのはまだしも、道が狭くマイクロバス1台でいっぱいいっぱいなので、下りでスピードを出せないのが致命的です。


輪行写真
あなご飯を食べ終わり、三段滝から黒淵を目指します。


三段峡

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とっとと進んで、葭ヶ原まで戻り、そのまま黒淵をめざします。意外に距離があります。黒淵の近くは工事をしていました。ショベルカーが動いており、いったいどこを走ってきたのかと悩みましたけれど、ヘリコプターを使って資材を運搬しているようです。


輪行写真
女夫淵や竜の口あたりも渓流は深くきりこんでうねっています。


輪行写真
足が疲れています。あまり無理をしないように歩きます。三段峡駅までは葭ヶ原から1時間15分ほどかかってしまいました。
駅前でかき氷を食べて涼みます。出発15分前に駅に行くと、ボックス席は全て荷物が置かれています??


パンク

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ロングシートに座っていると、三々五々鉄な人がボックスシートに戻ってきました。うーん、段取り良すぎ。
うとうとする間もなく、加計で乗り換えです。それにしても、鉄分濃い人多過ぎです。なんかキモチワルイ澱んだ雰囲気の人もいるよ〜。
水分補給してロングシートに座り、可部行の出発を待ちます。汗が乾ききらない肌に扇風機の風が気持ち良いです。
爆睡。可部で乗り換えたら、広行きでした。広島駅で降り、今回は駅ビルで夕食にします。条件反射のようにお好み焼き屋に吸い込まれます。「麗ちゃん」でスペシャルそばにします。
外に出て、トレンクルを組み立てると、前輪がパンク?ぺっちゃんこです。とりあえず空気を入れて繁華街まで走ります。やはりパンクのようですぐに空気が抜けてしまいました。路地に入って人通りの少ない場所で工具を取り出し前輪を取り外します。トレンクルはクイックリリースじゃないのが面倒。
無事タイヤを外してチューブを取り出したものの、穴の空いている箇所が分かりません。このチューブ極悪だよ・・・。それらしき場所に水をかけたりして試すこと30分、辺りも暗くなってきたので、とうとうあきらめて元に戻してしまいます。
グランドサウナ広島に宿をとります。3600円のカプセルホテルです。フロントでトレンクルの入ったバッグを預け、脱いだ服をコインランドリーに放り込んでサウナで汗を流し、身体を洗います。屋上の露天風呂で身体をのばして休みます。股のところが擦れてしみます。今日はハイキングと言うより山中マラソンに近かったかも。


パンク修理

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翌朝、トレンクルをかついで広電に乗ります。グリーンムーバではなく普通の車両が来ました。広島駅前で、噴水の池を見つけて、昨日直せなかったパンク修理を思い立ちます。岡山行発車まで15分ほどあるのでなんとかなるかも。
手早く前輪を取り外し、タイヤを外してチューブを抜きます。空気を入れて水に沈めると、二か所ほどプクプクと泡を吹いています。しかも片方は水から上げると穴を視認できません。これじゃ昨日分からなかったのも無理はないな。パッチを当てて、再度水に沈めると、まだ一カ所穴が開いていました。ううむ、タイヤが減っているから、まずタイヤを替えないと今後もパンクはおさまらないな。幸い、和田サイクルで買った強化タイヤがまだ一本残っています。チューブも本当は新品に取り替えた方が良いんだけれど、旅の途中で替えチューブも手持ちがありません。
時計を見ると7時です。慌てて片付けて、駅に入ります。改札で青春18きっぷに日付印を入れてもらいます。


高速船

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三原駅で降り、徒歩で港まで歩きます。ここから高速船で生口島の瀬戸田まで。高速船の乗客は二人だけでした。速い。
30分もかからずに瀬戸田です。


瀬戸田

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トレンクルを組み立て、さあ出発です。
まずは国宝三重塔のある向上寺です。
向上寺の三重塔は石段を延々登った上にあります。トレンクルを担いで黙々と登ります。境内はやや荒れた感じです。というか本堂がないよ。再建計画はあるようですが、進んでいないのかもしれません。一口1万円の募金はできませんけれど、100円だけ箱に入れます。気持ち気持ち。


向上寺三重塔

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石段を登り詰めた上にある室町時代の三重塔は、可愛らしい姿です。振り返れば瀬戸内の海に島と半島が重なっています。風が気持ち良いです。いいな。


輪行写真
人気がなく、しんみりした気持ちになります。なかなかおすすめの向上寺三重塔です。
三重塔を後にして、南へ進みます。数km離れたところにある白砂のサンセットビーチが目的地です。朝はあやしげに曇っていた空も、明るく日がさしてきています。


サンセットビーチ

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サンセットビーチに着くころには、気温も上がり、体温も上がり、汗を全身にかいていました。更衣室の前のベンチに自転車をとめ、水分補給をします。子供たちが泳いでいます。ああ、気持ち良さそうだなあ。見ているうちに、思わず服を脱ぎ捨て、パンツ一枚になって海に飛び込みます。ブイまで泳いで、一回りして戻ります。ふう。
サンセットビーチからは正面左に瓢箪島が浮かんでいます。本当にひょっこりひょうたん島そのものの形をしています。
更衣室に入ってパンツを絞ります。替えの下着等一切ありません。どうしよう。Tシャツも汗でびっしょりなので絞ります。むう、どうせ濡れているんだから変わらないか。そのまま服を来て、出発です。
弧を描く砂浜を回って走ると、瓢箪島がまるで動いているかのように位置を変えます。不思議不思議。海面に尾をひいて、ひょうたん島は進んでいます。
日差しが厳しいです。チームPaOPaOのサイクルキャップのつばを下げて、しゃかしゃか漕ぎます。時速25kmを目処に巡航します。くう、いい運動だ。


生口橋

輪行写真
しまなみ海道サイクリングロードの標識に従い、瀬戸田の町の横を抜けて生口橋を目指します。左手対岸の島は、高根島から左木島に移り、海は青く海草が見えます。やがて、生口橋が見えて来ます。海岸線から橋まで坂道をぐるぐると登っていきます。しまなみ海道サイクリングロードはフラットな道が選ばれているようですけれど、橋まで登るのはどうしても坂になるようです。生口橋の入り口の料金箱に50円玉をほうり込み、因島へと渡って行きます。
橋からぐるぐる回って下道まで降ります。サイクリングロードは因島の北側を進むようですけれど、因島水軍城に行ってみたかったので、しまなみ海道サイクリングロードとは分かれて島の中央を横断することにします。


因島水軍城

輪行写真
道は上り坂です。くはっ、しんど。路肩に余裕が全くなく、追い越し禁止で、道が狭く、後ろから自動車が絶えません。がんばってトレンクルのサドルを回すと、すぐに峠を迎え、下りに転じます。間もなく、左手に因島水軍城の入り口が見つかります。入り口の坂は急なので、トレンクルを降りて押して歩きます。水軍城は城の形をした村上水軍の資料館でした。中に入って、キンキンに効いた冷房で身体を冷やします。海戦の船の配置などの巻物があり、面白く眺めます。


村上水軍墓所

輪行写真
因島水軍城を出て隣の金蓮寺の墓地をたずねます。村上水軍の墓所があります。沢山小さな石塔があります。どの墓がだれなのかは分からないそうです。
水軍城入り口の売店で水分を補給して用をたします。坂を下り、因島の横断を続けます。幸い、きつい坂はありませんでした。


輪行写真
少し行くと、「本因坊秀策の碑」の案内板が目につきます。思わずハンドルを切って、向かってみることにします。
川を渡った先を右に折れると「本因坊秀策の碑」がありました。台座が碁盤のように足がついています。
「ヒカルの碁」ごっこをしてもしかたないので、先に進むことにします。ここからは因島大橋目指して走ります。因島大橋はどんどん大きくなり、全景が見えないほど近づきます。


因島大橋

輪行写真
橋のすぐ手前で、「因島大橋記念公園」の標識があるので、行ってみることにします。坂を登ったかと思えばどんどんどんどん下りて、とうとう海岸に出てしまいました。ひええ、橋を渡るにはまた登りなおさなきゃ、と落ち込んでいると、下の砂浜に出られることに気づきます。トレンクルをかついで下りると、いい具合に因島大橋が眺められる絶好のビュースポットでした。こりゃいいや。
海岸で写真を撮った後、橋への登り口を探しながらゆっくり進みます。前方に白い灯台が見えています。青い海、島々に映えます。綺麗。
因島大橋記念公園から、ひどく急な上り坂を進むと、因島大橋のたもと、歩行者の入り口の階段があります。お、あそこじゃん。
階段をトレンクルをかついでどんどん上へとのぼります。一番上まで登ると、さすがにくらくらします。
因島大橋も50円です。小銭入れをさぐっても、100円玉しか出て来ません。無人で料金箱が置いてあるだけなので、おつりも出ません。泣く泣く100円をほうり込み、橋を渡ります。因島大橋の歩行者自転車原付は自動車の下の段を走っています。眺めは良いけど、籠の鳥になったような気持ちもします。
橋を渡り終わると向島。ここは特に見物はせずに、サイクリングロード通りに突っ走って尾道を目指すことにします。
時計を見ると正午を回っています。ここまで大体25km巡航できたのに、21kmくらいまで速度が落ちています。空腹が原因でしょうか。


尾道渡船

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向島の西側海岸沿いを回り、右に90度近く道は折れて尾道への渡船場へと進みます。ふと見ると、速度が25km巡航に戻っています。ああ、そうか、今まで向かい風だったんだ。空腹が原因でなくて良かった。尾道まで行ったら昼食にしよう。
サイクリングロードの案内通り進んで行くと、福本渡船の渡船場にたどりつきました。おばちゃんに70円を渡して、桟橋に出ます。


輪行写真
いつも思うけれど、この渡船は尾道水道を渡るには効率が良いです。前と後ろに乗降船口があり、もやい綱をむすぶようなことすらせずに、桟橋に届くとすぐにタラップが下ります。まさに移動する橋。あっと言う間に尾道駅前近くに出られました。


青柳

輪行写真
尾道の街に入り、東側に動きます。朱華園はあいかわらず行列です。塩焼きそばはあきらめ、他の店をあたります。5本東の路地にある「青柳」に入ります。ここはランチなら1700円です。夜はちょっと来られませんけれど、昼ならなんとか。うにめしではなく、刺身定食にします。なんか魚が食べたい。
お上品な刺身定食をおいしくいただき、駅へ向かいます。
岡山-姫路間の時刻表の具合次第では、駅前の喫茶店で涼んで待つのも良いかも、と思いつつ尾道駅に到着します。
岡山行はあと3分で来るようです。時刻表をめくると、姫路行に連絡しています。うわ、間に合うか?大急ぎでトレンクルを折り畳み、改札を抜けて地下道を走りホームへ行きます。ちょうど岡山行普通が入って来ました。ホームの自動販売機で手早く飲料を買います。


網棚

輪行写真
トレンクルを網棚に上げてクロスシートに座ります。ガンガン冷房がかかっています。水分を補給し、身体を冷やします。タオルで汗をぬぐいます。
SL-C760を取り出して輪行記の続きを綴ります。車窓からは緑の田んぼが見えています。
岡山で姫路行に乗り換え、乗客は多いです。同席できそうなクロスシートを探し、座席を確保します。トレンクルは網棚にさくっと上げます。これができる一点だけでも、トレンクルは価値があります。ロードやランドナーでは不可能ですし、BD-1では落っこちてしまいます。


今日のルート

ハンディGPS「etrex VISTA 日本語版」のトラックデータ(trk30824.trk trk30824.zip 11,955bytes)をカシミール3Dで表示し、注記したものです。
まあ、イラストマップのようなものなので、正確な道や細部は、別途正確な地図をご参照ください。
距離は43.5km、移動平均速度は16.5km/h、移動時間2h38m、停止時間48m、最高速度38.9km/h、全体平均速度12.6km/h、総上昇量355mでした。
輪行写真


文市の小箱茶室ケーキ小箱LX紅茶読書[自転車]-[輪行64]/ 好み他伝言板リンク

文市(あやち)=青野宣昭